INTERVIEW

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和歌山に所縁のある、今を生きる人たちの物語を紹介します。
様々な思いが詰まった素敵なストーリーをお楽しみください。
きっと、新しい和歌山が見つかるはず。

森田 慎
エンジニア

森田 慎

森田 慎 / Shin Morita

<プロフィール>
フリーランスエンジニア
屋号は「虹」

穏やかな笑顔での語り口が印象的な森田さんは、20年あまりのキャリアを持つベテランエンジニア。飲食店の衛生管理を支えるアプリ「飲食店HACCP(ハサップ)」の開発をはじめ、和歌山の夜空を壮大に彩るドローンショーの運営スタッフとしても携わっている。

屋号は「虹」。その由来については、ちょっと不思議な話を聞かせてくれた。


森田さん:エンジニア人生の中では、何度も壁にぶつかる瞬間があります。考え抜く中で、ふと「これはどうだろう」と、筋のいいアイデアがひらめく瞬間がありますよね。

そんな時は、不思議と空に虹がかかっていることが多いんです。まるでアイデアが祝福されているかのように感じ、虹は私の中で大切なモチーフになりました。ですから、屋号を決める際に迷いはなかったですね。


ー 主力事業である衛生管理アプリの着想を得た時にも…?


森田さん:虹が出ていました。不思議ですよね。

このアプリを開発したきっかけ自体は、ちょっとした思いつきでした。2018年の食品衛生法改正によって、2020年から段階的に、どんなに小さなお店でも日々の衛生管理を記録し、保管することが義務付けられました。

妻の実家が営む中華料理店でも、1日の営業を終えた後、わざわざパソコンを開いて各種の記録をつけていました。食の安全を守るために不可欠なことですが、日々の業務に追われる現場にとっては負担でもあります。それならばと、スマートフォンで手軽に入力・管理できるよう自家製アプリを開発しました。これが思いのほか良い出来で、家族にもとても喜ばれたんです。

しっかりとした手ごたえを感じたので、より多くの飲食店で役立ててもらおうと、操作性や機能を洗練させ、アプリをリリースしました。法律が施行されるタイミングに合わせて、どこよりも早く世に送り出すことを目指しました。

日本で一番乗りだったこともあり、名だたる企業から「アプリの権利を売ってほしい」とお声がけいただくなど、幸先の良いスタートを切ることができました。

森田 慎

アプリの掲示用シールには和歌山県PRキャラクターのきいちゃんが


ー そこに新型コロナウイルスのパンデミックがやってきた。


森田さん:衛生管理の義務化は東京オリンピックを見据えたものでしたが、世界は一変しました。オリンピックは延期になり、保健所はコロナ対応に追われ、飲食店そのものも存続の危機に。時代の大きな波に飲まれて、アプリの権利販売の話も立ち消えになってしまったのです。

今ようやく、世の中が落ち着きを取り戻し、衛生管理への意識が本来あるべき場所に戻ってきたと感じています。アプリのユーザーも再び増えてきました。遠回りはしましたが、現場から生まれた衛生管理アプリの草分け的存在として、このアプリで日本一のシェアを取るという目標は変わっていません。

森田 慎


ー 長いエンジニアキャリアでの紆余曲折。誠実な仕事と信頼関係がご縁を呼んできた。


森田さん:私の原点は、大学卒業後に入社した自動車工場向けのエンジニアとしての20年です。その後、お声がけいただいて、アメリカのシアトルで最先端のIT技術を学ぶ機会を得ました。まだ日本ではインターネットが一般的でなかった時代です。帰国後は友人とゲーム開発会社を立ち上げるなど、常に新しい技術の世界に身を置いてきたように思います。

これもご縁に恵まれたおかげで、長年お付き合いのある制作会社さんが、私が趣味でドローンを触っていることを知り、大役を任せてくださったんです。

フリーランスは、穏やかな時もあれば荒波にもまれる時もあります。正直、ひやひやすることもありますが、岐路に立つたび、人の縁に助けられてきました。向き合ってきた仕事が、次の仕事へと繋がっていく。その繰り返しで、今があるように感じます。

森田 慎

金魚の産地である奈良・郡山に出かけることも


ー 現在はSOUNE COWORKINGを仕事場にしている。


森田さん:子どもが小さいので、自宅ではなかなか仕事の世界に没入しきれないんです。静かだし、なによりここはとても居心地がいい。複雑なプログラムや新しいアイデアとじっくり向き合える、私にとって不可欠な場所になっています。


ー これからについても語ってもらった。


森田さん:私は多趣味で、以前は仕事と同じくらい、趣味に情熱を注いでいました。特に熱帯魚や金魚が大好きで、一時はベッドの三方を水槽に囲まれ、その光の中で眠るほど夢中になっていたんです。

今は仕事に集中する日々ですが、いつかまたあんな豊かな時間をもてたらと思っています。まずは、今求められていること、アプリ「飲食店HACCP」をしっかり事業の柱として育て上げ、安定した基盤を作ることに集中したいと思います。その先に、趣味を心ゆくまで楽しむ穏やかな未来を描いています。


ー 穏やかさの中に、長年の経験に裏打ちされた情熱を宿す森田さん。飲食店の現場を支えるアプリ開発と、夜空を彩るドローンショーという2つの事業を通じて、着実に未来を描いている。森田さんの描く「虹」は、多くの人々の暮らしに彩りを添えている。

<経歴>
フリーランスエンジニア。屋号は「虹」。大学卒業後、約20年にわたり自動車工場の生産ラインを制御するFA(ファクトリーオートメーション)のエンジニアとして活躍。キャリアの途中で渡米し、シアトルで最先端のインターネット技術を学ぶ。帰国後はゲーム開発会社の設立などを経て独立。オープン当初からのメンバーとしてSOUNE COWORKINGを利用。

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