和歌山への思いが詰まった素敵なストーリーをお楽しみください。
きっと、新しい和歌山が見つかるはず。
菅沼 直子
日⇄英 翻訳

菅沼 直子 / Naoko Suganuma
<プロフィール>
株式会社プロスキル 代表取締役
一般社団法人Triple C協会 代表理事
菅沼 直子 / Naoko Suganuma
「今日はよろしくお願いします」
そう言って我々を明るく迎え入れてくれたのはSOUNE COWORKINGの利用者で、今回インタビューを快く受け入れてくれた菅沼 直子さん。
菅沼さんは幼少期をアメリカのサンフランシスコで過ごし、現在はその経験を活かし、英会話の講師や翻訳業、英語発音技能検定や英語学習教材の開発・運営など英語にまつわる様々な仕事をこなすマルチプレイヤーだ。
そんな菅沼さんだが、この仕事を始めたのは十数年前、和歌山に移住してきてからのことで、最初に就いたのはとあるおもちゃメーカーだったという。
菅沼さん:私の弟がダウン症なのですが、成長の過程で手を使って遊ぶ立体的なおもちゃがすごく成長の手助けになっているのを目の当たりにして、自分でもそういうモノを作りたいと思っておもちゃメーカーに入社しました。
ー 誰かの手助けになるモノづくりを目指しておもちゃメーカーへの入社を決めた菅沼さんだったが、その後、1年1ヶ月でその会社を辞めたという。
菅沼さん:元々希望していた部署と違う部署に配属されたというのもあるのですが、「商売」を前面に出して走っている社風に幻滅してしまったというのが大きいですね。
ー しかし、仕事を辞めてからも、人が育っていくという過程にはずっと興味があったという菅沼さんは、「それなら自分で子供を育てればいい」という思いで4人の子供を出産し育て上げた。
ー 菅沼さんが東京から和歌山へ移住したのもこの頃だったという。
菅沼さん:この頃に離婚をしまして、東京は待機児童の問題で子供をまともに保育園にも預けられない状態で悩んでいた時に、たまたま知り合いが和歌山に住んでいたので、移住を決めました。
ー 移住のきっかけこそ偶然だった菅沼さんだが、移住してみて関西や和歌山には独特の魅力があったという。
菅沼さん:和歌山に限らず関西の人は、本音で話すタイプの人が多くて、そういうところがどこかアメリカ人と似ていて、自分の性に合っているなと感じまして、その中でも和歌山は人と人との距離が更に近いように感じて、そういうところが心地いいなと思いました。
ー また、地方での子育ての良さもあったという。
菅沼さん:自分もそうなのですが、東京だと選択肢がありすぎて、自分の意思でこれがやりたいからこの道に進むんだというより、自分のレベルに合った選択肢を見つけてなんとなくで行けちゃうんですよね。
なので、子供にはやりたい事が先にあって、そのためにはどういう手段を選ぶかという感じで自分の進路を見つけてほしかったんです。
その教育が上手くいったかどうかは分からないんですけど、少なくとも東京にいたら、和歌山にこなかったらその進路には進んでいなかっただろうという進路に、自分の意思でいくぞ!と言って進んでくれた子もいたので、よかったなと今では思います。
ー そして菅沼さんが和歌山に移住してきて出会ったのが今の仕事の原型となった仕事だ。
菅沼さん:和歌山に移住してから市内の英会話教室で講師をしていたんです。その時、初めてちゃんとした形で英語を教えたんですけど、生徒さんがめちゃくちゃついてきてくれて、実は教えるのに向いているのかなと思ったのと同時に、大人になってからも(英語に)困っている人が、なぜこれだけ大勢居るのだろうと疑問が湧きました。
ー その疑問の答えについて菅沼さんはこう考えたという。
菅沼さん:東京と比べるのは酷なのですが、やはり、そもそもの教育の水準にどうしても格差があるんですね。
で、どうして格差があるのかというと、1つとして教える先生の指導力に起因しているんじゃないかと思いまして、じゃあその指導力をスキルアップするにはと手段を考えたときに「検定を作ろう」と思ったんです。
ただ、組織の中にいると、もっとこうした方がいいんじゃないかと思ったこともできなかったりするので、それなら自分でやればいいじゃんと思い起業しました。
ー そうして起業した菅沼さん。英会話教室からついてきてくれた生徒さんを中心に、英会話講師として英語を教えながら、2017年に「英語発音技能検定EP-Pro®」と「英語発音技能測定テストEP-Jr®」の発音に重きを置いた検定の開発・運営を開始した。
菅沼さん:なぜ「発音」に重きを置くのかというと、「会話」ができない人が多いんです。で、なぜ会話ができないの?ってなったときに、まず英語を聞き取れない、そして、発した英語が相手に伝わらない、聞き返されるのに怖気づいてしまっているんです。
でも、これはちゃんとした英語の発音が分かっていれば聞き取れるし伝わるんですけど、学校の教育では例えば単語をカタカナの音に当てはめて覚えたり、発音を意識しない覚え方で覚えてしまうので、会話ができない英語ができあがってしまっているんです。
そこで、ちゃんとした発音で教えられる先生を増やさないとダメだと思い立って作ったのがこの検定なんです。
ー さらに菅沼さんは、アメリカで育った経験を活かしこんなことも始めたという。
菅沼さん:検定を作ったのはいいんですけど、教育のレベルが上がるのはもっと先の話なので、じゃあ、今目の前で困っている人の手助けになることはできないかと考えたときに、思いついたのが翻訳でした。
翻訳と言っても、ただ、日本語を英語に翻訳するのではなくて、例えば、レストランのメニューを英語圏の人が見たときに食べたいなと思うような英語に翻訳したり、日本人は当たり前に思っているけど外国人からすると凄く魅力に感じている部分なんかをアピールできるようにアドバイスしたりといったことをしています。
ー 英会話講師、検定の開発・運営、翻訳と持てるものを目の前の人の手助けに活用する、誰かの手助けになるモノを作りたい、おもちゃメーカーを目指した最初の意思が現在まで脈々と続いているのを感じる。
ー そんな菅沼さんがSOUNE COWORKINGと出会ったのは、知り合いの勧めだったという。
菅沼さん:元々、事務所を持つつもりはなかったのですが、福嶋さんの勧めもあって事務所を探していた時に紹介していただいたのがSOUNE COWORKINGさんでした。
事務所費用が抑えられるのと、あと、毎日入れ替わり立ち代わり色々な人と会えるのかなという期待もあってSOUNE COWORKINGさんを利用することにしました。
ー 先日もSOUNE COWORKINGで「体験型座談会イベント」として「スナックなおこ」を開いた菅沼さん。たくさんの人と出会えるのがコワーキングスペースの魅力だと語る。
菅沼さん:やっぱりこういうコワーキングスペースを利用する人って専門というか、その道を極めている人たちが多いと思うので、そういう人と交流ができるのは魅力ですね。
ただ、今はいつもいるってメンバーが多いので、もう少し色んな人がくるようなコワーキングスペースにしてほしいなとか思ったりしてます(笑)
ー コワーキングを知らない色んな人にアプローチをする一環として「スナックなおこ」を自分から持ち掛けたという菅沼さん。
ー 最後に、これからSOUNE COWORKINGの利用を検討している人に向けて、菅沼さんからメッセージをいただいた。
菅沼さん:もう出来上がってる空間に飛び込むってすごく勇気がいると思うんですね。でも、私の勝手な想像なんですけど、SOUNE COWORKINGさんに集まっている人たちって、ちょっと人見知りだけど、話すと気さくでいい人ばかりなんですよね。だから、最初は入りにくいと思うかもしれないけど、そこを踏み越えて中に入ると何かしらいい刺激があると思います。
ー インタビュー中も気さくに明るく、時に冗談も交えながら話してくれた菅沼さん。今日もそんな菅沼さんの暖かな雰囲気がSOUNE COWORKINGを一段と明るく楽しい場所へと変えている。
<経歴>
1972年東京都生まれ。1995年慶應義塾大学環境情報学部卒業。5歳~9歳までアメリカのサンフランシスコ郊外で暮らす。離婚を機に子ども4人を連れて和歌山へ移住。生活のために始めた英会話講師の仕事を通じ『地域による教育格差』と『根深い日本人の英語発音コンプレックス』を強く感じ、英語を教える先生のスキルアップこそが日本人の英語コンプレックスを無くしていくカギとなるのではないかと考え、2017年より【英語発音技能検定EP-Pro®】及び【英語発音技能測定テストEP-Jr®】を開発運営開始。2021年には音声連動型【英語学習教材シリーズEP-edu®】を開発。