様々な思いが詰まった素敵なストーリーをお楽しみください。
きっと、新しい和歌山が見つかるはず。
形部 朋太
学生

形部 朋太 / Tomohiro Katabe
<プロフィール>
近畿大学付属和歌山高校 卒業
2025年4月より防衛医科大学校へ進学
「合格おめでとうございます」
そう伝えると、はにかんだ笑顔を見せてくれた好青年は、和歌山市に住む形部朋太さん。
形部さんは近畿大学付属和歌山高校に通いながら、約1年間ソウネコワーキングの学生プランを契約し、自習室として利用していた。そして今春、見事に防衛医科大学校への進学を決めた。
そんな形部さん、当初からコワーキングスペースを利用して勉強しようと考えていたわけではなかったそう。
形部さん:健康維持のために通っていたジムの帰り道にソウネコワーキングがあったんです。中をじーっと見ていたら、「どうぞ」と招き入れてもらいました。コワーキングはビジネスパーソンの仕事場のイメージが強くて、敷居が高かったのですが、皆さんフレンドリーに接してくれました。

「合格祝いにソウネコワーキングの皆さんと一緒にケーキを食べたのはいい思い出です」
ー コワーキングスペースを自習室として選んだ理由を尋ねると、形部さんは自分なりの学習観を教えてくれた。
形部さん:塾という選択肢が僕の中になかったんです。僕の観察範囲では、勉強ができる人は塾に行かずに、自分で勉強する時間を作っている。人に教えられている時間よりも、自分で勉強する時間を多く取った方がいいんだな、と。
ー 形部さんがコワーキングスペースの良さとして挙げたのは、静かさと自由度の高さ。
形部さん:ビジネスパーソンの方たちの仕事が終わってから来るせいもあって、人が少なくて静か。勉強にしっかり集中できました。コワーキングスペースは、学校や塾の自習室とは違って、スマホも使えるし、音楽を聞きながらもOK。その自由さが、居心地がよかったんです。
ー ただ、自由度が高い分、誘惑との戦いもあったそう。
形部さん:僕は、学習中にわからないことがあったら、こまめにスマホで調べます。だからスマホは手元に置いておきたかった。でも、スマホの中には誘惑も多いので、YouTubeは開けないようにするなど、アプリでスマホの使用制限をかけていました。昔は「自分は自制心がある」などと思っていたんですが、実際のところ全然でしたね(笑)。基本的に、そういう面では自分を信用しないスタンスです。
ー 形部さんは、学校が終わると毎日、自転車で約20分かけてソウネコワーキングに通い、午後4時から夜9時頃まで勉強に励んでいた。長時間、集中力を保つ工夫を聞いた。
形部さん:1階と2階で環境を切り替えられるのがよかったです。2階のサイレントフロアで勉強して、下のリラックスフロアで休憩する。たまにお菓子が置いてあったりすると嬉しかったですね。あまりにも眠い時は、仮眠ポッドを使ってパワーナップ。20分以上眠ってしまわないよう気をつけていました。

仮眠ポッドの前で。「ちょっと眠るには最適」
ー 勉強を重ねた結果、高卒生として当初志望していた東京大学を目指すか、合格した防衛医科大学校に進学するか、2つの進路で悩むことに。
形部さん:「この決断で未来が変わる」といった大きな選択の判断は、これまで自分で下したことがなかったので、1週間くらいめちゃくちゃ悩みました。人にも相談して、防衛医大の卒業生とも話をする機会を作ってもらいました。
浪人するとしたら、あと1年、体力と気力がもつかが心配でした。実は、受験が終わってから急激に心身の調子が整ったんです。受験勉強中は、気づかないうちにストレスを感じていたんだなと思って、それなら勉強はもうひと区切りでいいかなと思いました。
もう1つ、防衛医大を選んだ理由は、自衛隊としての「人との関わり」です。普通の大学生は絶対に関われないような様々な機会がありそうで、純粋に面白そうだと思いました。
人生のターニングポイントにおいて、自分で進路を決めた。悩みましたが、この経験自体が大事なものだなと思います。
ー 医師としてのキャリアパスの中に「人との関わり」への思いがある。
形部さん:将来を考えた時、「社会貢献」と「多様な人との関わり」という2軸を持っておきたいと思ったんです。いろんな人に出会いたいし、社会貢献となる仕事がしたい。防衛医大とその後9年間の奉仕義務を経た場合、自衛隊での社会貢献はもちろんのこと、医師として患者さんに関わるだけでなく、自衛隊の人たちや同僚の軍医など、様々な人に出会えます。これは普通の医師のコミュニティよりも広いのではないかと思ったのです。
僕はずっと医師であり続けることにこだわる必要はないと思っていて、奉仕義務の後はWHO勤務や官僚、行政の仕事なども面白そうだなと思っています。だからこそ、様々なことを経験しておきたいんです。
また、災害支援や国際援助は、日本の公的機関において自衛隊主導で行っています。医師個人では手の届かない範囲のことまで携われるというのは、純粋にかっこいいし、素晴らしいやりがいがあると思います。
ー 自身の受験経験を踏まえて後輩にアドバイスするなら?と聞いてみた。
形部さん:「勉強以外も頑張ろうな」ということですね。僕は高校3年間を勉強に捧げてきたので、交友関係が狭くなってしまった。もっと人との関わりがあってもよかった、恋愛とかしたかったなって(笑)。勉強しすぎても伸びないし、勉強以外も充実させたら、満足感を得ながら成績も伸びると思います。
ソウネコワーキングに来るのもいいと思います。学生の勉強場所って、塾か家か学校かという感じでなかなか限られている。先生や両親、友達がいて、ルールも守らなくちゃいけない。そういう場では勉強しにくい人には、ここは静かで広くて自由で、いい場所だと思います。
ー 終始、にこやかに真摯な姿勢で受け答えしてくれた形部さん。4月からは埼玉県で新生活が始まる。防衛医科大学校で学びを深め、自衛隊医官としての道を歩み始める形部さんの未来が豊かであるよう、心からエールを送りたい。
<経歴>
2006年生まれ。滋賀県で6年間、鹿児島県で6年間を過ごした後、中学・高校の6年間を和歌山で過ごす。近畿大学付属和歌山高校卒業。高校3年生の夏からソウネコワーキングを利用し、受験勉強に励む。2025年4月より防衛医科大学校に入学。将来は自衛隊医官として、災害派遣や国際貢献に携わることを目指している。